ナシ族・ペー族の男と女の働きぶり

2007-10-10

先日、I 先生(中国現代文学@私立C大)にお会いした際、夏休みに中国雲南省の麗江市に旅行に行かれた話を聞きました。
最近チベット系民族の現代文学作家に興味をもたれているそうで、チベット系民族、ナシ族の天地である麗江にいかれたのは、
そういう関心もおありなのかなと思いました。

その I 先生はいいました。ナシ族の男の人って、なんであんなに働かないんだろうね。泊まった宿の近辺のナシ族の男の人た
ちは、一日中麻雀ばかりして過ごしていて、驚いたとのことです。
たしかに、麗江市の南にあるとなりの大理白族自治州のペー族(白族・チベット系)の男の人も、一日中麻雀をしていること
がよくあります。

むしろ女性の勤勉さがよく目立ちます。




ペー族の女の人はなにしろ力持ちで、重労働をよくこなしますし、農作業でも田植えなどは女性が中心になって一所懸命やっ
ています。

ナシ族では、むかしから麗江盆地内の大研鎮とか、束河村とか、白沙村という大きな街にある宿屋はたいてい女性が主人にな
っていて、雲南=チベット間の茶葉交易、物資輸送で往来するキャラバン(馬幇・マーパン)相手に店を切り盛りしていまし
た。キャラバンのために品物を仕入れる仕事も彼女らが活躍していました。
ピーター・グーラートというロシア人が、日中戦争中麗江市内の大研鎮での生活を記録して、『忘れられた王国』という本を
書いていますが、(Goullart,Peter.Forgotten Kingdom London:John Murray Ltd.1955,グーラート著・高地アジア研究会訳
『忘れられた王国』ベースボール・マガジン社、1958年←なぜにこの出版社から出ているのでしょう?)
この本には街での婦人たちのかいがいしい働きぶりが詳しく書かれています。
また、隣の鶴慶県から布製品をもってきて露店で売るのもペー族たちで、二つの民族はいずれも女性がよく働く民族です。

男性はなにをやっているのかという点については、かつてナシ族では、男性は一年のほとんどをキャラバンに出ていたので、
たまに家に帰ってきたならば、ゆっくり休みたいということがあるでしょう。
また、一人当たりの土地が狭いペー族は、外に行商に出たり、建築業者として出稼ぎにいっていますので、やはり家を空ける
ことが多いのです。
もっとも麗江市の隣に位置する大理州鶴慶県では銀細工が盛んで、職人さんは一日中製作に没頭していてたいへん夢中で働い
ておられます。
したがって、女性は家を守る、家事労働などに精を出すということが仕事になります。女性は「家守り」(ヤーモリ・奄美、沖
縄風に表現すると)なのです。
また、この二つの民族は、幼時から私塾に通い、学問をして官吏登用試験の科挙を受けることが、家門繁栄の手段となってい
ます。だから男性は家にあってはひたすら勉強をするのが仕事といってもよいという側面があります(←私のような勉強を飯
の種にしている者にはじつに理想的な環境です)(笑)。
でも、ここまで書いても、麻雀の魅力に勝る理由なしという感じがしますが・・・・。
いまは科挙もなければ、キャラバンもないし、いったいぜんたいどうなんでしょう?